Welcome to Calvary Chapel-Japanese Fellowship

www.calvary_chapel_japanese-fellowship/第二テサロニケ人への手紙

新約聖書

”第二テサロニケ人への手紙の学び


背景


第二テサロニケ人への手紙は、第一テサロニケの手紙と同様、手紙の冒頭に「パウロとシルワノとテモテから、父なる神と主イエス・キリストとにあるテサロニケ人たちの教会へ。」と述べられているように、使徒パウロが、パウロと共に伝道に携わったシルワノとテモテによって、福音と主の再臨を信じたテサロニケの人々へ宛てて書かれています。
この手紙は、パウロがコリントの地に滞在し、神のことばと福音の伝道を続けている期間にテサロニケの地に残したシラス、テモテ、ルカたちと合流した後、テサロニケの人々にキリストにある信仰と希望が根付き、福音とキリストの再臨を信じた多くのテサロニケの人々の信仰が様々な迫害にも拘わらず成長しているという報告を聞いて、彼らの疑問、テサロニケの人々にキリストの復活と再臨について最初の手紙(第一テサロニケの手紙)を書いた直後に、おそらく数週間後、少なくとも一年以内に、同じコリントの地からテサロニケの人々に流されている誤解を解くためにこの手紙が書かれたとされています。
彼らの誤解は、パウロが伝えた福音を信じ信仰に歩む人々が主のみもとに集められること(教会の携挙)について、「キリストの再臨」と「主の日」についての誤解であり、このことについての理解と励ましを与えるために書かれています。

第二テサロニケの手紙は紀元51年から52年の初頭頃に執筆されたものと考えられます。

使徒パウロは、キリストの再臨についての誤った教え、すなわち、キリストの教会が再臨されるキリストに出会うことについて、さらに、神のこの世の罪に対する怒りの時、患難の時代、「主の日」がすでに始まっている、テサロニケの信者のなかに、人々がすでに「主の日」に突入し、復活のキリストの再臨が起ってしまったと誤解している人々が存在し、この誤りを信じ、日常の生活において働くことを諦め怠惰に陥っている人々が存在することを聞いて、この誤解を正し、怠惰にならず自分の手で働くことの大切なことを奨励するために、この第二テサロニケ人への手紙を書いた、と考えられます。

したがって、この手紙の目的は、テサロニケの信者たちに「主の日」がすでに到来したのだという誤った教えを正し(1:3-10)、旧約聖書にも様々に述べられている神の怒りの時「主の日」について、キリストの来臨と「主の日」とがどのような歴史的経緯でこれからの世界に起こるのかを説明し (2:1-12)、神の愛とキリストの忍耐とを持って主の来臨を期待して生きる(μαρὰν ἀθά Maranathaマラナタ)ことは決して怠惰な生活をすることではないことを諭すため(3:6-15)に書かれています。

神の激しい怒り、患難の時については、旧約聖書の預言でも「主の日」という表現でその時のことが述べられています。
(イザヤ 13:6 泣きわめけ。主の日は近い。全能者から破壊が来る。イザヤ 13:9 見よ。主の日が来る。残酷な日だ。憤りと燃える怒りをもって、地を荒れすたらせ、罪人たちをそこから根絶やしにする。エレミア46:10 その日は、万軍の神、主の日、仇に復讐する復讐の日。剣は食らって飽き、彼らの血に酔う。北の地、ユーフラテス川のほとりでは、万軍の神、主に、いけにえがささげられる。 エレミア30:3、ヨエル1:15,3:14、 アモス5:18、オバデア1:15、ゼバニア1:14、ゼカリア14:1他)

神の激しい怒り、患難は、神の救い、キリストにある恵みを拒否し続けるこの世に対して、栄光のキリストが地上に再臨される直前に、この世が一掃され、浄化され、新しくされ、神の選びの民イスラエルが回復されるために惹き起こされ、この期間はダニエルの預言どおり、七年の期間が定められています。

正確には、「主の日」は、栄光のキリストが福音とキリストの再臨を信じ神の希望の約束を信じて生きた人々、そのときまで生きている人々、すなわちキリストの花嫁である教会のために来臨し、教会を引き上げられる(このことを携挙と呼んでいます。)時から、神の怒りの時期、すなわち患難の七年間の時の後に栄光の主、キリストが御国を継ぐものとされた人々と共に地上に再臨され、その後に、回復され、新しくされたこの世を千年の期間 主が治められる期間、全体の期間のことを指しています。

教会の携挙について、使徒パウロは、イエス・キリストの十字架の贖いを信じ個人的に受け入れ、困難な時代の中でイエス・キリストの再臨と、この世が贖われることを待ち望む人々が、天から下ってこられる栄光のイエスのもとへ一瞬のうちに、(人が瞬きをする千分の一以下の速度で)引き上げられ、キリストにあって、希望を抱いてすでに眠った人々と共に朽ちない栄光の姿に変貌するということを明言し、このことについて、第一テサロニケの手紙のなかで詳しい説明をしています。
従って、テサロニケの人々に宛てたこの手紙は、第一テサロニケ人への手紙と同様、福音の信仰、キリストによる神の愛、再臨のキリストにある栄光の希望、特にキリストの再臨について、キリストが地上に再臨される前にこれからいつにでも起こる信仰者が引きあげられる確実な希望、復活のキリストの再臨が起ってしまったという誤った教えと誤解を正し、神の愛とキリストの忍耐とを持って「主の日」主の来臨、を期待して生き、日常の生活において怠惰にならず自分の手で働くことの大切なことを奨励するために書かれています。


概要


I. 挨拶 (1:1-2)


II. 困難や迫害のなかでの慰め (1:3-12)

1) 迫害と困難の只中で示される忍耐と信仰 (1:3-10))

  • 信徒たちの信仰の成長 (1:3-4)
  • 神の裁きの正しさの証明 (1:5-10)
    2)聖徒達のための栄光の御国の準備 (1:11-12)
    3)反キリストの出現 (2:6-12)

III. 主の日についての正しい理解 (2:1-12)

1)「主の日」(主の地上再臨と携挙)の教義 (2:1-2)
2) これから起こる「主の日」 (2:3-5)

IV. 福音によって主イエス。キリストの栄光にあずかる (2:13-17)

1)福音によって信じる人々に定められている栄光の未来 (2:13-15)
2)祝福の祈り: 堅く立つことへの励まし (2:16-17)

Ⅴ.現実的な励まし(3:1-15)

1) 祈りの願い (3:1-5)
2)怠惰になることへの戒め (3:6-15)

Ⅵ最後の挨拶と祝福の祈り (3:16-18) 


鍵となる聖句

2Th 1:5 これは、あなたがたを、神の国にふさわしい者にしようとする神のさばきが正しいことを、証拠だてるものである。その神の国のために、あなたがたも苦しんでいるのである。
2Th 1:6 すなわち、あなたがたを悩ます者には患難をもって報い、悩まされているあなたがたには、わたしたちと共に、休息をもって報いて下さるのが、神にとって正しいことだからである。
2Th 1:7 それは、主イエスが炎の中で力ある天使たちを率いて天から現れる時に実現する。

2Th 1:10 その日に、イエスは下ってこられ、聖徒たちの中であがめられ、すべて信じる者たちの間で驚嘆されるであろう――わたしたちのこのあかしは、あなたがたによって信じられているのである。

2Th 2:2 霊により、あるいは言葉により、あるいはわたしたちから出たという手紙によって、主の日はすでにきたとふれまわる者があっても、すぐさま心を動かされたり、あわてたりしてはいけない。
2Th 2:3 だれがどんな事をしても、それにだまされてはならない。まず背教のことが起り、不法の者、すなわち、滅びの子が現れるにちがいない。

2Th 2:4 彼は、すべて神と呼ばれたり拝まれたりするものに反抗して立ち上がり、自ら神の宮に座して、自分は神だと宣言する。
2Th 2:5 わたしがまだあなたがたの所にいた時、これらの事をくり返して言ったのを思い出さないのか。
2Th 2:6 そして、あなたがたが知っているとおり、彼が自分に定められた時になってから現れるように、いま彼を阻止しているものがある。
2Th 2:7 不法の秘密の力が、すでに働いているのである。ただそれは、いま阻止している者が取り除かれる時までのことである。

2Th 2:8 その時になると、不法の者が現れる。この者を、主イエスは口の息をもって殺し、来臨の輝きによって滅ぼすであろう。
2Th 2:9 不法の者が来るのは、サタンの働きによるのであって、あらゆる偽りの力と、しるしと、不思議と、
2Th 2:10 また、あらゆる不義の惑わしとを、滅ぶべき者どもに対して行うためである。彼らが滅びるのは、自分らの救となるべき真理に対する愛を受けいれなかった報いである。

2Th 2:13 しかし、主に愛されている兄弟たちよ。わたしたちはいつもあなたがたのことを、神に感謝せずにはおられない。それは、神があなたがたを初めから選んで、御霊によるきよめと、真理に対する信仰とによって、救を得させようとし、
2Th 2:14 そのために、わたしたちの福音によりあなたがたを召して、わたしたちの主イエス・キリストの栄光にあずからせて下さるからである。

2Th 3:5 どうか、主があなたがたの心を導いて、神の愛とキリストの忍耐とを持たせて下さるように。
2Th 3:6 兄弟たちよ。主イエス・キリストの名によってあなたがたに命じる。怠惰な生活をして、わたしたちから受けた言伝えに従わないすべての兄弟たちから、遠ざかりなさい。

2Th 3:10 また、あなたがたの所にいた時に、「働こうとしない者は、食べることもしてはならない」と命じておいた。
2Th 3:11 ところが、聞くところによると、あなたがたのうちのある者は怠惰な生活を送り、働かないで、ただいたずらに動きまわっているとのことである。
2Th 3:12 こうした人々に対しては、静かに働いて自分で得たパンを食べるように、主イエス・キリストによって命じまた勧める。
2Th 3:13 兄弟たちよ。あなたがたは、たゆまずに良い働きをしなさい。


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