Welcome to Calvary Chapel-Japanese Fellowship

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新約聖書

エペソ人への手紙の学び


背景


エペソ人への手紙が、手紙の冒頭に「神の御旨によるキリスト・イエスの使徒パウロから、エペソにいる、キリスト・イエスにあって忠実な聖徒たちへ。」と述べられていることからも、使徒パウロによって記述され、エペソの人々に宛てて書かれた手紙であることは明らかです。

エペソ人への手紙は特定の個人やグループよりも、より広範囲でイエス・キリストの福音を信じたすべての人々が適用することのできる内容となっており、その意味で現代のわたしたちクリスチャンにもそのメッセージを直接当てはめることができます。

この手紙は、エペソの教会に送られ、そこから使徒パウロがエペソを拠点として伝道した小アジア地方全域(使徒書19章10、26参照)の教会へ回覧され、人々へ朗読されるために福音を伝えられた教会全体(エクレシア)に宛てて手紙が書かれています。(コロサイ人の手紙4章16参照)

パウロはこの手紙を政治犯として囚われていたときに記述しています。(エペソ人への手紙3章1、4章1参照)

パウロは、福音の伝道のため何度か旅行をしていますが、第二次伝道旅行のときにコリントの地でローマ皇帝クラウディオ帝のユダヤ人退去命令によってイタリアから来たアクラとプリスキラ夫婦と出会い、彼らの家に住み込んで共に仕事をし、一年半ほど会堂で伝道を続けた後で、この夫婦と共にエペソに立ち寄りました。
このエペソは、当時ローマ帝国の小アジア地域に於ける最大の拠点であり、ギリシャ、アテネにおけるパルテノンの神殿の4倍、古代世界の七不思議の一つと言われるアルテミス、(ダイアナ)の神殿が建つ、アジアからヨーロッパへの最大貿易港として栄えた地でもありました。そこにしばらくパウロは滞在し、アクラとプリスキラをエペソの地に残し、カイザリヤへ帰港し、エルサレムの教会に立ち寄りアンテオケへ戻りました。
彼はまた第三次伝道旅行に出かけガラテヤおよびフルギヤの地方を歴訪して、すべての弟子たちを力づけ、陸伝いにエペソの地へ戻り、そこで二年間大胆に神の国について論じ、また勧めをし 、アジヤに住んでいる者は、ユダヤ人もギリシヤ人も皆、主の言を聞き、神は、パウロの手によって、異常な力あるわざを次々にされエぺソを拠点としエペソばかりか、ほとんどアジヤ全体にわたって主の言がますます盛んにひろまりました。

この第3次伝道旅行からエルサレムに戻ったとき、パウロの伝える福音に反対するアジアからパウロをつけてきたユダヤ人の扇動によって、エルサレム全体が混乱状態に陥り、この混乱を鎮めるために駆け付けたローマの守備隊、千卒長によってパウロは捕らえられ、ユダヤ人たちがパウロを暗殺しようと陰謀を企てていることを聞いた千卒長によってローマ総督ペリクスのもとで裁判を受るために護衛をつけられてカイザリヤへ送られ、そこで裁判を受けることになりました。

その後、紆余曲折の後、パウロはローマ皇帝に上訴し、裁判を受けるために護衛をつけられローマに送られることになりました。

ローマに着いた後、パウロは、番兵をつけられ軟禁状態に置かれましたが、かなりの自由を与えられたと考えられます。パウロは、ひとりで住むことを許され、ローマに住むユダヤ人が招かれ、イスラエルのいだいている救いの希望のゆえに囚われの身となっていることの説明をし、宿につめかけてきた大勢の人々に朝から晩まで語り続け、神の国のことをあかしし、またモーセの律法や預言者の書を引いてイエスについて彼らの説得につとめ、自分の借りた家に満二年のあいだ住んで、たずねて来る人々を みな迎え入れ、はばからず、また妨げられることもなく、神の国を宣べ伝え、主イエス・キリストのことを教えつづけました。

パウロの伝道の記録は、使徒書によればここで終わっています。

ローマ皇帝へ上訴し政治犯として囚われていたこの満二年の期間に、エペソ人への手紙の他に新約聖書に記録されているピリピ人への手紙、コロサイ人への手紙、ピレモンへの手紙が使徒パウロによって記されたとされています。

パウロのこれらの手紙は、通常、「獄中書簡」とよばれていますが、「あなたがた異邦人のためにキリスト・イエスの囚人となっているこのパウロ」(エペソ人への手紙3章1参照)、「主にある囚人であるわたし」(エペソ人への手紙4章1参照)と述べているように、イエス・キリストの贖いと復活の福音は、律法を与えられたイスラエルの民のみならず、すべての人々への救いのメッセージのためであり、自分の身は福音に反対するイスラエルの議会やローマ帝国によって囚われているのではなく異邦人のためにもイエス・キリストの福音が伝えられるために囚われているという確信と使命感によって手紙が執筆されています。

エペソ人の手紙は、イエス・キリストによって神に召された人々がどのような素晴らしい位置に置かれているのかということが描かれ、救われた人々の歩むべき歩み、ということが主題となっています。従って、エペソ人の手紙は、イエス・キリストの福音と神の国についての主張とその確証がどのようなものなのかについて、福音の素晴らしさ、神の国の確かな希望について、わたしたちがより体系的に確信を得ることの出来る手紙となっています。

手紙は二つのセクションに大別することができます。パウロは一章から三章までの部分で神の主権と恵みによってキリストにある信仰に歩む人々の置かれた素晴らしい位置、地位について述べています。
そして、それらの人々に与えられている地位は、神の栄光に満ちた知恵と力によって(神の)永遠の目的に沿ったユダヤ人と異邦人のすべてを含めたキリストの肢体である教会に示され、それらのキリストにある信仰に歩む人々は、父なる創造の神の比類ない恵みによって選ばれ(1:4-6)、御子イエスによって贖われ(1:7-12)、聖霊によって証印を押されており(1:13-14)、それはキリストの肢体である教会が全知全能の父なる神の栄光を褒め称えるためにあたえられたのだと宣言しています。
そしてパウロは、キリストの肢体である教会にあって信仰に歩む人々が 主イエス・キリストの神、栄光の父から、知恵と啓示との霊を賜わって神を認め、心の目を明らかにされ、神に召されていだいている望みがどんなものであるか、聖徒たちがつぐべき神の国がいかに栄光に富んだものであるか、を知るように祈りを捧げています。(1:15-23)、

4章から6章は、神の恵みによるキリストにある信仰にあって与えられている栄光に富んだ神の国の望みを知った人々にとって、どのように実際の歩みがそのような召しにふさわしい歩みなのか、そして、創造の父なる神に背くこの世にあって、目に見えない悪にたいする霊的武具を身につけ、堅く立って戦いに勝利するように、という勧めでこの手紙が締めくくられています。

パウロの「獄中書簡」とされるエペソ人への手紙、ピリピ人への手紙、コロサイ人への手紙、ピレモンへの手紙は、パウロが皇帝に上訴しローマで囚われの身となっている期間、紀元59年から紀元61年のあいだに執筆されたと考えられています。しかし、ピリピ人への手紙は囚われの期間のより後期に執筆され、エペソ人への手紙、コロサイ人への手紙、ピレモンへの手紙の手紙は、それ以前紀元60年、ほぼ同時期に執筆され、手紙が送られた、と考えられています。

  

概要

I.挨拶 (1:1-2)

II.恵みによってキリストの信仰に歩む人々に与えられている立場(ポジション)(1:1-3;21)

A. 神のキリストにある栄光の祝福 (1:1 – 23)
  1. 天地の創られる前に父なる神はキリストにあって救われる人々を選ばれた(1:3-6)  
  2. イエス・キリストによって神の子たる身分を授け、愛のうちにあらかじめ定めて下さった (1:7-12)          
  3. 救の福音を聞き、また、彼を信じた結果、約束された聖霊の証印をおされた(1:13-14)
B. 使徒パウロの祈り、知恵と啓示との霊を賜り心の目を明らかにされ栄光に富んだ神の国の望みを知る。(1:15-23)
  1. 祈りの内容 (1:15-19)
  2. 神の絶大な力 (1:20-23)
C. あわれみに富む神は、その大きな愛をもって罪過によって死んでいたわたしたちをキリスト・イエスにあって、共によみがえらせてくださった、(2:1-10)
  1. 救いにあずかった人々の以前の状態 (2:1-3)
  2. 救いにあずかった人々の現在の状態 (2:4-10)
D. キリストは、選びの民イスラエルと異邦人という隔ての中垣を取り除き十字架によって、二つのものを一つのからだとして神と和解させられた。(2:11-22)
  1. キリストの救いにあずかる以前の異邦人の状態(2:11-13)
  2. 救いにあずかる異邦人の現在の状態(2:14-22)
     a. キリストの十字架による平和(2:14-18)
     b. キリストが隅のかしら石となられ、使徒や預言者を土台とする建物(2:19-22)
E. キリストの奥義(教会)と神の永遠の目的 (3:1-13)   
  1. 福音によりキリスト・イエスにあって、共に一つのからだとなり、共に約束にあずかる。(3:1-7) 
  2. 万物の造り主である神の中に世々隠されていた奥義にあずかる務め、キリストの無尽蔵の富(3:8-13)
F. 人知をはるかに越えたキリストの愛を知って、神に満ちているもののすべてをもって、あなたがたが満たされるように、と祈る。(3:14-21)
  1. 祈りの内容(3:14-19)
  2. わたしたちが求めまた思うところのいっさいを、はるかに越えた神のリソース(3:20-21)

III. キリストの肢体である人々の召しにふさわしい歩み、聖霊の一致 (4:1–6:20)

A. 平和のきずなで結ばれて、聖霊による一致を守り続ける(4:1-16)
  1. あなたがたが召されたのは、一つの望み、すべてのものの父なる唯一の神(4:1-6)
  2. 霊の賜物の多様性と聖霊の一致(4:7-16)
B. 滅び行く古き人を脱ぎ捨て、神にかたどって造られた新しき人を着る (4:17-32)
  1. 創造の神から離れた人々の生き方(4:17-24)
     a. 神のいのちから遠く離れ、異邦人がむなしい心で歩いているように歩いてはならない。 (4:17-19)
     b.古き人を脱ぎ捨て、神にかたどって造られた新しき人を着る (4:20-24)
  2. キリストにあって新しくされた人々の生き方(4:25-32)
C. 神に愛されている子供として神にならい、愛のうちを歩く(5:1-14)
  1.キリストと神の国を継ぐことのできない行い (5:1-7)
  2. 光の子らしく歩み善意と正義と真実との実を結びなさい(5:8-14)
D. キリストに対する恐れの心をもって、互に仕え合う(5:15-6:9)
  1. 今の時を生かして用い御霊に満たされ(5:15-21)
  2.具体的な関係のなかで御霊に満たされる(5:22–6:9) 
     a.妻と夫 (5:22-33)
     b. 子と親(6:1-4)
     c.僕と主人(6:5-9)
E. 主の偉大な力によって神の武具で身を固め、悪の霊に対して堅く立つ(6:10-20)

IV. 最後の挨拶 (6:21-24)

      


鍵となる聖句

Eph 1:3 ほむべきかな、わたしたちの主イエス・キリストの父なる神。神はキリストにあって、天上で霊のもろもろの祝福をもって、わたしたちを祝福し、
Eph 1:4 みまえにきよく傷のない者となるようにと、天地の造られる前から、キリストにあってわたしたちを選び、
Eph 1:5 わたしたちに、イエス・キリストによって神の子たる身分を授けるようにと、御旨のよしとするところに従い、愛のうちにあらかじめ定めて下さったのである。

Eph 1:6 これは、その愛する御子によって賜わった栄光ある恵みを、わたしたちがほめたたえるためである。
Eph 1:7 わたしたちは、御子にあって、神の豊かな恵みのゆえに、その血によるあがない、すなわち、罪過のゆるしを受けたのである。
Eph 1:8 神はその恵みをさらに増し加えて、あらゆる知恵と悟りとをわたしたちに賜わり、
Eph 1:9 御旨の奥義を、自らあらかじめ定められた計画に従って、わたしたちに示して下さったのである。
Eph 1:10 それは、時の満ちるに及んで実現されるご計画にほかならない。それによって、神は天にあるもの地にあるものを、ことごとく、キリストにあって一つに帰せしめようとされたのである。

Eph 1:11 わたしたちは、御旨の欲するままにすべての事をなさるかたの目的の下に、キリストにあってあらかじめ定められ、神の民として選ばれたのである。
Eph 1:12 それは、早くからキリストに望みをおいているわたしたちが、神の栄光をほめたたえる者となるためである。

Eph 1:13 あなたがたもまた、キリストにあって、真理の言葉、すなわち、あなたがたの救の福音を聞き、また、彼を信じた結果、約束された聖霊の証印をおされたのである。
Eph 1:14 この聖霊は、わたしたちが神の国をつぐことの保証であって、やがて神につける者が全くあがなわれ、神の栄光をほめたたえるに至るためである。 

Eph 2:8 あなたがたの救われたのは、実に、恵みにより、信仰によるのである。それは、あなたがた自身から出たものではなく、神の賜物である。
Eph 2:9 決して行いによるのではない。それは、だれも誇ることがないためなのである。

Eph 2:14 キリストはわたしたちの平和であって、二つのものを一つにし、敵意という隔ての中垣を取り除き、ご自分の肉によって、
Eph 2:15 数々の規定から成っている戒めの律法を廃棄したのである。それは、彼にあって、二つのものをひとりの新しい人に造りかえて平和をきたらせ、
Eph 2:16 十字架によって、二つのものを一つのからだとして神と和解させ、敵意を十字架にかけて滅ぼしてしまったのである。

Eph 3:16 どうか父が、その栄光の富にしたがい、御霊により、力をもってあなたがたの内なる人を強くして下さるように、
Eph 3:17 また、信仰によって、キリストがあなたがたの心のうちに住み、あなたがたが愛に根ざし愛を基として生活することにより、
Eph 3:18 すべての聖徒と共に、その広さ、長さ、高さ、深さを理解することができ、
Eph 3:19 また人知をはるかに越えたキリストの愛を知って、神に満ちているもののすべてをもって、あなたがたが満たされるように、と祈る。

Eph 4:1 さて、主にある囚人であるわたしは、あなたがたに勧める。あなたがたが召されたその召しにふさわしく歩き、
Eph 4:2 できる限り謙虚で、かつ柔和であり、寛容を示し、愛をもって互に忍びあい、
Eph 4:3 平和のきずなで結ばれて、聖霊による一致を守り続けるように努めなさい。

Eph 4:4 からだは一つ、御霊も一つである。あなたがたが召されたのは、一つの望みを目ざして召されたのと同様である。
Eph 4:5 主は一つ、信仰は一つ、バプテスマは一つ。
Eph 4:6 すべてのものの上にあり、すべてのものを貫き、すべてのものの内にいます、すべてのものの父なる神は一つである。

キリストから賜わる賜物のはかりに従って、わたしたちひとりびとりに、恵みが与えられている。
Eph 4:8 そこで、こう言われている、「彼は高いところに上った時、とりこを捕えて引き行き、人々に賜物を分け与えた」。

わたしは主にあっておごそかに勧める。あなたがたは今後、異邦人がむなしい心で歩いているように歩いてはならない。
Eph 4:18 彼らの知力は暗くなり、その内なる無知と心の硬化とにより、神のいのちから遠く離れ、
Eph 4:19 自ら無感覚になって、ほしいままにあらゆる不潔な行いをして、放縦に身をゆだねている。

あなたがたは、以前の生活に属する、情欲に迷って滅び行く古き人を脱ぎ捨て、
Eph 4:23 心の深みまで新たにされて、
Eph 4:24 真の義と聖とをそなえた神にかたどって造られた新しき人を着るべきである。

あなたがたは、神に愛されている子供として、神にならう者になりなさい。
Eph 5:2 また愛のうちを歩きなさい。キリストもあなたがたを愛して下さって、わたしたちのために、ご自身を、神へのかんばしいかおりのささげ物、また、いけにえとしてささげられたのである。
Eph 5:10 主に喜ばれるものがなんであるかを、わきまえ知りなさい。
Eph 5:11 実を結ばないやみのわざに加わらないで、むしろ、それを指摘してやりなさい。

Eph 5:16 今の時を生かして用いなさい。今は悪い時代なのである。
Eph 5:17 だから、愚かな者にならないで、主の御旨がなんであるかを悟りなさい。
Eph 5:18 酒に酔ってはいけない。それは乱行のもとである。むしろ御霊に満たされて、
Eph 5:19 詩とさんびと霊の歌とをもって語り合い、主にむかって心からさんびの歌をうたいなさい。

Eph 6:10 最後に言う。主にあって、その偉大な力によって、強くなりなさい。
Eph 6:11 悪魔の策略に対抗して立ちうるために、神の武具で身を固めなさい。
Eph 6:12 わたしたちの戦いは、血肉に対するものではなく、もろもろの支配と、権威と、やみの世の主権者、また天上にいる悪の霊に対する戦いである。

新約聖書


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