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新約聖書

使徒書の学び


背景


使徒書という標題は、紀元150年から180年頃に記されたルカの福音書の写本の前文のなかにこの標題が使われており、それ以降この書の標題が使徒書として知られるようになりました。
使徒書は福音書を記したルカによって福音書からの続きとして記述されました。
使徒書全体をとおして復活のイエスを目の当たりにした弟子たちが、聖霊の力を受けてエルサレム、ユダヤ、サマリヤ、イスラエル全土から地の果てにまで福音を伝えていったことの記録が記述されています。
しかし、この記録は使徒たち全ての完全な歴史的記録ではなく、その後もイエスキリストの十字架の贖いと復活を信じ聖霊の力を受けて福音が述べ伝えられ続けてゆくという歴史が続いているという意味で未完成のキリストの教会の歴史ということができます。

ルカは、福音書とともにテオピロに宛ててこの使徒書を記しています。 
ルカはパウロの伝道、宣教の旅に行動を共にし、パウロはルカを愛する医者ルカと呼んでいます。使徒書には使徒パウロの第二次伝道旅行において初めてアジアからマケドニアに渡ったときにパウロとルカが出会ったことを示唆する記述が記されています。(使徒書16章参照)  
テオピロ(Θεόφιλος theh-of'-il-os)は、「神の友」あるいは「神を愛する人、神の愛」とも訳すことが出来る名であり、神学者のなかにはルカが神を愛する人々へ総称としてこの福音書と使徒書を記しているとする人々もいます。
しかし、この名前が3世紀頃までローマの政府高官にたいして実際に宛名として使われていたことから、ルカはおそらく実在した人物に宛てて記述したのだと考えられています。
当時、医者は富裕な政府高官などに奴隷として仕えることが通常であったこと、ルカがマケドニア、すなわちギリシャ出身であったことからもローマの政府高官の奴隷であったルカが実際の伝道旅行や活動の援助を受け、仕えていたテオピロに宛ててイエスキリストの福音の詳細と聖霊による使徒たちのはたらきの詳細を記述したとする一致した見方がされています。

ルカはこの使徒書を紀元61年から62年頃に記したとされています。
使徒書の記述は、イエス・キリストの復活と昇天のあった紀元33年から使徒パウロがローマ皇帝に上訴した後ローマで二年間の軟禁生活を過ごした紀元62年頃までの期間に聖霊によって力を受けた弟子たち、主にペテロとパウロの活動をとおして福音がエルサレム、ユダヤ、サマリヤ全土から地の果てまで伝えられていった記録が述べられています。

ルカは使徒パウロとの宣教旅行をとおして出会った、イエスの生母マリアや他の使徒たちからの生前のイエス、誕生のいきさつを直接聞き、それを福音書に記述し、十字架に架かられたイエスの復活が確かなものであることを体験し、復活のイエスが生きておられることを目の当たりにし、イエスの十字架の意味について目が開かれた人々が聖霊によって力を受け、エルサレム、ユダヤとサマリヤの全土、および地の果てにまで福音が伝えられていった様子を記録しています。
ルカ自身が伝統的ユダヤ人ではなく、テオピロもローマの政府高官であったとすれば、彼らはともに異邦人であり、この点からも、福音書と使徒書がイスラエルの民だけでなく異邦人たち、より広い視野から全世界の人々へイエスキリストの福音と聖霊のはたらきによる使徒たちのはたらきを記したものであることが理解できます。

使徒書が書かれた目的は大別して三つ挙げることができます。
一つ目は、聖書の他の書物と同じように聖霊がどのように働かれたのかという歴史的な出来事を記述することが目的です。使徒書を記したルカは霊感を受けて、聖霊のはたらきによって使徒たちが福音を伝えキリストの教会が広まっていったという歴史的事件の記録しています。
キリストの教会がユダヤ人たちの信仰、ユダヤ教の中心地エルサレムから、サマリヤの全土、ルカの時代には異邦人の地の果てであるローマにまで福音が伝わっていった様子が記録されています。
二つ目は、神のご計画と目的が歴史をとおして達成されてゆくことを示すために使徒書は記録されています。キリストの肢体である教会がイエスがキリストであり主であるという信仰の土台に建てられていったのかを具体的に示し、記録すること。(マタイ福音書16章18 参照)
三つ目は、使徒書の記述をとおしてルカは、福音の弁証をすることが使徒書の記述された目的であったということができます。
福音の宣教がエルサレム、ユダヤとサマリヤの全土、および地の果てにまで、とくに使徒パウロを通じて異邦人へも広められていったという使徒書のテーマは、同じ作者ルカの記した福音書の主要なテーマともぴったり合致するものとなっています。  

概要

I エルサレムにおける福音の証し1:1—6:7  

A.   キリストの教会の土台 1:1—2:47
1.イエス・キリストの昇天と聖霊降臨の約束 1:1-5
2.イエス・キリストの証人となる召命 1:6-8
3. イエスの昇天 1:9-11
4. 十二使徒の任命 1:12-26
5. 教会の誕生 2:1-41
6. キリストの教会の揺籃期 2:42-47    
B.    エルサレムの教会の発展 3:1—6:7
1. 外部からの教会への攻撃 3:1—4:31
2. 内部からの教会への攻撃 4:32—5:11
3. キリストの教会に対する迫害 5:12-42 
4. 初期エルサレム教会の問題 6:1-7

II. ユダヤ、サマリヤへの福音の継続 6:8—9:31

A.   ステパノの殉教
1. ステパノに対する糾弾 6:8—7:1
2. ステパノの弁論 7:2-53
3. ステパノの殉教 7:54—8:1a
B   ピリポの宣教 
1. サマリアでの宣教 8:1b-25
2. エチオピアの宦官にたいする宣教 8:26-40
C.   サウロの改心 9:1-31
1. サウロの回心と召命 9:1-19a
2.聖霊に満たされたサウロの葛藤 9:19b-30
3. 平穏を取り戻すエルサレム教会 9:31

III. 福音が地の果てまで伝えられる 9:32—28:31

A.   教会がシリアのアンテオケにまで広められる 9:32—12:24
1. ペテロのヨッパ、ルダにおける宣教 9:32-43
2. ローマの百人隊長コルネリオの改宗 10:1—11:18
3. アンテオケの教会の指導的役割 11:19-30
4. エルサレムの教会に対し迫害の手が伸びる 12:1-24
B.   教会がキプロスから小アジア(現在のトルコ)へ広まる 12:25—16:5
1. バルナバとパウロが聖霊によって引き出される 12:25—13:3
2. キプロスへの宣教 13:4-12
3. 小アジア地域への宣教 13:13—14:21a
4. パウロとバルナバのアンテオケ教会への帰還 14:21b-28
5. エルサレムに於ける使徒会議l 15:1-35
6. 異邦人の教会が強められる 15:36—16:5
C.   教会がエーゲ海沿岸に広まる 16:6—19:20
1. 聖霊によるマケドニア地区への宣教の召命 16:6-10
2. マケドニア地区(ピリピ、テサロニケ、ベレヤ)での宣教 活動16:11—17:15
3. アケイア地区(アテネ、コリント)での宣教活動17:16—18:17
4. 小アジア地域(エペソ)での宣教の始まり 18:18-22
5. エペソでの宣教活動 18:23—19:20
D.   教会がローマにまで広まる 19:21—28:31
1. ローマへの宣教が聖霊によって示される (19:21-22)
2. エペソでの暴動 (19:22-41)
3. エルサレムへの旅 (20:1–21:16)
4. エルサレムにおけるパウロ (21:17–23:30)
5. カイザリヤにおけるパウロ (23:31–26:32)
6. ローマへの航路 (27:1–28:10)
7. ローマにおけるパウロ (28:11-31)
8. 福音の宣教が引き続く (28:30-31)


 

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