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マタイの福音書の学び
背景
マタイの福音書は、十二弟子のひとり、マタイによって紀元60年から65年に記述され、初期の教会の教父たち、パピアスやイレニウスもその記述のなかに、使途ペテロやパウロがローマに伝道をしていた紀元60年から64年に著されていたことを証言しています。
マタイはレビという名でも呼ばれ、イエスの宣教の初期にカペナウムで収税人であったときイエスに従い、弟子となりました。マタイの記述は、直接的には、当時のパレスチナ、シリア地区に散在する人々に向けて書かれています。
マタイ福音書の目的は様々ですが、少なくとも次の三つの目的をもって書かれています。
第一には、イエスが約束された油注がれたメシア、王であることを証明するため。
第二には、「何故、油注がれた王として来られたイエスは、王国を確立されなかったのか。」という疑問に答えるため。
メシアとして来られたイエスと神の王国をイスラエルの民が拒否し、その悲惨な結果を招くにも拘わらず、終わりのときに神の国を地上に確立され、その王位を完全なものとしメシアとしての就任をされることを示すため。
第三には、福音は、神の選びのイスラエルの民にだけではなく、イエスが油注がれた王として来られたことを拒否したイスラエル以外の異邦人にも宣べ伝えられるため。
したがって、マタイ福音書のテーマは、イエスが旧約聖書全体をとおして約束された神の国の、ダビデが座した王座に座られる油注がれた王であること、その預言のすべてをあますところなく成就されるメシアであること、を証明することにあります。
概要
I. 王の到来とその準備 (1章 :1-4:11)
1) 王の到来
- 王の系図 (神の約束、アブラハムの末、ダビデの王座とダビデの末) (1章:1-17)
- 超自然な王の誕生 (処女降誕、天使の宣告) (1章:18-23)
- 預言の成就 (東方の博士たちの訪問、エジプトへの逃避と幼児の殺戮、ナザレの村へ(2章:1-23)
2)王の準備 (3章:1-4章:11)
- 王の到来を告げる、先導 (バプテスマのヨハネ) (3章:1-12)
- 洗礼と認証 (3章:13-17)
- サタンのイエスへの誘惑 (4章:1-11)
II 王の資質と本質 (4章:12-7章:29)
1)ガリラヤ地方での宣教 (4章:12-18章:35)
- イエスのナザレからカペナウムへの移動 (王国が近づく) (4章:12-17)
- 弟子たちを呼び集める (4章:18-22)
- 王国の宣言 ( 宣言, 立証 )(4章:23-25 )
2) 王国の道徳的特質 (山上の垂訓 ) (5章-7章)
- 王国の主要課題 ( 神の祝福、神に対する応答、人に対する責任 )(5章:1-16)
- 王国の真実 ( 律法の意図の解説、心の内側、動機の正しさ、王国における裁き(5章:17-7章:29)
III 王の権威と支配 (8章:1–11章:1)
1) 病と自然に対しての権威 ( 8章: 1-34 )
- らい病の癒し (8章:1-4),
- 中風の癒し (8章:5-13)
- 熱病の癒し(ペテロの姑) (8章:14-15),
- 悪霊に憑かれた者を癒す(8章:16-17)
- 弟子となる者の覚悟(8章:18-22)
2) 罪を赦す王の権威 (9章:1-8)
3) 王に従う者の特徴 (9章:9-17)
4) 王としての証拠 (9章:17-38)
- 命の回復
- 視力の回復
- 言語能力の回復
- 王の群集に対する哀れみ
5) 王の使命 (10章:1-11章:1)
- 権限の委任 (10章:1-4)
- 使徒の役割と方向 (10章:1-42)
- 宣教の継続 (11章: 1)
IV. 王に対する敵対 (11章:2–13章:52)
1) 御国の特質
- バプテスマのヨハネについての説教(11章:2-15)
- 不信仰の不合理さ(11章:16-19)
- 呪われた町々 (11章:20-24)
2) 疲れた者、重荷を負う者に対する招き (11章:25-30)
3) 王に対する敵対 (パリサイ派の人々との対決)(12章:1-45)
- 安息日にたいする権威 (12章:1-21)
- 超自然に対する権威 (12章:22-37)
- 不信仰はしるしを求める (12章:38- 45)
- 王との関係を持つことへの招き(12章:46-50)
4) 御國の奥義(13章:1-52)
- 前置き
- 御言葉を聞く者の責任 (13章:3-23)
- 天の御国の譬え (13章:24-50)
5) 天の御国の弟子となる者、結論的宣言(13章:51-52)
6) 宣教の継続と最後のナザレへの訪問 (13章:53-58)
V. 王の哀れみと慈愛 (13章:59–18章:35)
1)バプテスマのヨハネの処刑 (14章:1-12)
2)本当に必要としている人々に対する王の深い哀れみ (14章:13-36)
- 女、子供を除いた5千人の群集を養う (14章:13-21)
- 嵐のなかで弟子たちを救う (14章:22-23)
- 触れるものすべてを完全に癒す (14章:34-36)
3) 拒絶された王の慈愛に溢れる宣教の継続 (15章:1-20)
- 律法学者やパリサイ人との論争 (15章:1-9)
- 人の心の汚れ (15章:10-20 )
4) 王に対する異邦人の信仰(15章:21-28)
5) ガリラヤ湖畔にて群衆を養う (15章:29-39)
6) 王の死と復活の予告 (16章:1-28)
7) 苦難と死の後に到来する天の御国 (17章:1-23)
8) 弟子たちへの指示、旅の継続 (17章:24-19章:2)
- 税の問題 (17章:24-27)
- 誰が一番偉いのか (18章:1-14)
- 赦しの大切さ (18章:15-35)
VI. 王の紹介と拒絶 (19章:1–26章:1)
1)御国の祝福と警告 (19章-25章)
- 離婚、結婚、と御国 (19章:3-12)
- 子供たちと御国 (19章:13-15)
- この世の富と御國 ( 若く、金持ちの役人- 富の保証と王の保証、 ぶどう畑で働く者の譬え、御国の報酬) (19章:16-20章:16)
- 王の三度目の死と復活の予告 ( 20章:17-19)
- 御国においては仕える者が指導する (20章:20-34)
2)御国の王の紹介 (21章: 1-17)
- 王の到来のための準備 (21章: 1-7)
- エルサレムへの勝利の入場 (21章:8-11)
- 二度目の宮清め (21章: 12-17)
3) イスラエルによる王への拒絶 (21章:18-22章:46 )
- イスラエルの国家にたいする裁きの前兆 ( 21章:18-22)
- 王の権威にたいする挑戦 (21章:23-27)
- 三つの譬え: (21章:28-22章:14)
4)対決 : 証拠と拒絶(22章:15-46)
- へロデ党との対決( 22章:15-22)
- サドカイ派との対決( 22章:23-33)
- パリサイ派との対決 (22章:34-46)
5) 律法学者とパリサイ人は災いである(23章:1-39)
- 七つの災い(23章:13-36)
6)エルサレムへの嘆き(23章:37-39)
7)御国の完成(24章-25章)
- オリーブ山での説教 (24章,25章)
- オリーブ山の説教の結論 (25章:31‐46)
VII 苦難: 主の苦しみ、死と復活 (26章- 28章)
1)イエスに対する裏切りの陰謀 (26章)
- 時の準備 (26章:1-16)
- 最後の晩餐 (26章:17-30)
- ペテロの否定の予告 (26章:31-35)
- ゲッセマネにて (26章:36-46)
- 逮捕 (26章:47-56)
- ユダヤ議会の裁判、ペテロの否定 (26章:57-27章:2)
- ユダの悔恨 (27章:3-10)
- ローマ総督の裁き (27章:11-31)
- 十字架の刑 (27章:32-44)
- 死 (27章:45-55)
- 埋葬 (27章:57-66)
2)イエスキリストの復活 (28章:1-15)
- 空となった墓 (28章:1-8)
- イエスキリストの出現 (28章:9-10)
- 兵士の報告 (28章:11-15)
3) 大宣教命令 (28章:16-20)
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