わたしたちの祝福を願われる神
( 第二歴代誌14章11、15章2、16章9)
- 14:11 アサはその神、主に叫び求めて言った。「主よ。力の強い者を助けるのも、力のない者を助けるのも、あなたにあっては変わりはありません。私たちの神、主よ。私たちを助けてください。私たちはあなたに拠り頼み、御名によってこの大軍に当たります。主よ。あなたは私たちの神です。人間にすぎない者に、あなたに並ぶようなことはできないようにしてください。」
- 15:2 そこで、彼はアサの前に出て行き、彼に言った。「アサおよび、すべてユダとベニヤミンの人々よ。私の言うことを聞きなさい。あなたがたが主とともにいる間は、主はあなたがたとともにおられます。もし、あなたがたがこの方を求めるなら、あなたがたにご自身を示してくださいます。もし、あなたがたがこの方を捨て去るなら、この方はあなたがたを捨ててしまわれます。
- 16:9 主はその御目をもって、あまねく全地を見渡し、その心がご自分と全く一つになっている人々に御力をあらわしてくださるのです。あなたは、このことについて愚かなことをしました。今から、あなたは数々の戦いに巻き込まれます。」
- 南ユダ王国アサの治世
ソロモン王から数えて3代目の南ユダ王国の王アサは、最初その神、主の目に良しと見え、また正しいと見えることを行い、偶像を取り除き、先祖たちの神、天地創造の神を求めることを命じ、民が掟と戒めを守るように行わせました。
しかし、治世が成功し、国が繁栄に向かうにつれ、アサ王は、自分を誇るようになり、死ぬ間際には、よい終わりを迎えることができませんでした。
アサ王は、王位に就くと異教の祭壇と高き所を取り除き、柱を砕き、アシェラ像を打ちこわし、民に主なる神を求めさせ、その律法と命令を行なわせました。さらに、彼はユダのすべての町々から高き所と香の台を取り除き、王国は平安を保ちました。
- エチオピアの大軍との戦い
時がたって、エチオピヤびとゼラが、百万の軍隊と三百の戦車を率いて、マレシャまで攻めてきました。
アサ王は、この圧倒的な敵の大軍によって侵略されそうになったとき、主に叫び求めて「主よ。力の強い者を助けるのも、力のない者を助けるのも、あなたにあっては変わりはありません。私たちの神、主よ。私たちを助けてください。私たちはあなたに拠り頼み、御名によってこの大軍に当たります。主よ。あなたは私たちの神です。人間にすぎない者に、あなたに並ぶようなことはできないようにしてください。」 (歴代誌下14章11)と祈りました。
- アサの祈りと神の力
問題や困難な状況は、解決に取り組む者の能力によって、その問題を解決する難しさの程度が変わってきます。
わたしたちは、問題や困難をわたしたちの尺度で難しさの程度を決めてしまいます。
全能の神は、問題や困難の程度に拘わらず、すべての問題を最良の方法で容易に問題を解決することがお出来になります。
わたしたちが、このことに心から信頼し、神の力により頼むとき、神は力をあらわしてくださいます。
神にあっては、力の強い者を助けるのも、力のない者を助けるのも、変わりがないのです。
往々にしてわたしたちは、祈りや願いが、じぶんたちの知っている方法や理解できるやりかたで叶えられられることを期待し、問題解決の方法を神に委ねないで、自分の方法を神に押し付けていることさえ気が付いていません。
聖書の御言葉は、わたしたちのあらゆる具体的な問題や困難な状況を克服することのできる豊かな約束に満ちています。
神は、わたしたちの能力や理解をはるかに超えて、問題の大小にかかわらず最上の解決を与えることのできるお方です。
- 大軍を打ち破る
主は祈りに答えられ、アサの前とユダの前に、クシュ人(エチオピア)の軍隊を打ち破られ、クシュ人は倒れ、生きている者が残りませんでした。そこで、彼らは非常に多くの分捕り物を持ち帰って、多くの羊とらくだを奪い去って、エルサレムに帰って来ました。
そこへ、神の霊がオデデの子アザルヤの上に臨み、アザルヤは、アサの前に出て行き、言った言葉が「アサおよび、すべてユダとベニヤミンの人々よ。私の言うことを聞きなさい。あなたがたが主とともにいる間は、主はあなたがたとともにおられます。もし、あなたがたがこの方を求めるなら、あなたがたにご自身を示してくださいます。もし、あなたがたがこの方を捨て去るなら、この方はあなたがたを捨ててしまわれます。」という警告の言葉でした。
- 神からの警告
この警告を聞いたときアサは、神により頼んで勝利を得た直後であっただけに、自分が主から離れ、主を捨てることなどあり得ないことであり、そのような警告など必要ないと思ったかもしれません。
しかし、当人が決してそのような警告が必要に思われないとき、すべてを知られる神は、わたしたちのうちに潜む肉の弱さ、罪に陥る危険をご存知であり、先に警告を与えてくださいます。
神は、わたしたちの力や能力ではどうしようもない時だけ神を求めるのではなく、どのような場合にも常にわたしたちが神との交わりを持つことを望んでおられます。
- 神の祝福と繁栄
神はわたしたちを祝福したいと願っておられます。
神が祝福したいと願っておられる祝福はわたしたちの思いや計画を遥かに超えた素晴らしい栄光にみちた祝福です。
神は、わたしたちが、祝福や繁栄のうちにあるとき、心が高ぶり、あなたの神、主を忘れ、心のうちで、「この私の力、私の手の力が、この富を築き上げたのだ。」と言うことのないように、警告されています。
あなたに富を築き上げる力を与えられるのは、神が神と心を一つにする者を祝福される、神の約束によると言われています。(申命記8章17,18参照)
わたしたちが主とともにいる間は、主はわたしたちとともにおられます。もし、わたしたちが生ける神を求めるなら、神はわたしたちにご自身を示してくださいます。もし、わたしたちが、この方を捨て去るなら、この方はわたしたちを捨ててしまわれます。
御子をわたしたちのために十字架に架けてまで、わたしたちを愛されている方を拒み、恵みの御霊を侮る者ことが、どんなに恐ろしいことか、わたしたちは知るべきです。
「恵みの御霊を侮る者は、どんなに重い処罰に値するか、考えてみなさい。
私たちは、『復讐はわたしのすることである。わたしが報いをする。』、また、『主がその民をさばかれる。』と言われる方を知っています。
生ける神の手の中に陥ることは恐ろしいことです。」(ヘブル書10章29-31)
もし、わたしたちが、神を忘れ、神を捨て去るなら、神もわたしたちを捨ててしまわれます。
わたしたちが生ける神を求めるなら、主はわたしたちに出会ってくだり、主はわたしたちとともにおられます。
アサは、預言者アゼルヤの警告を聞いたとき、奮い立って、ユダとベニヤミンの全地から、また彼がエフライムの山地で攻め取った町々から、忌むべき物を除き、主の宮の前にあった主の祭壇を再興しました。
さらに、彼はユダとベニヤミンのすべての人々、および、エフライム、マナセ、シメオンから来て彼らのもとに身を寄せている人々を集め、心を尽くし、精神を尽くしてその父祖の神、主を求め、彼らは心を尽くして誓いを立て、ただ一筋に喜んで主を慕い求めました。
このため、主はユダ王国に安息を与えられ、アサの治世の三十五年は戦いがありませんでした。
- アサ王の計略
ところが、アサ王の治世三十六年目になってイスラエルの王バシャがユダに上って来て、ユダの王アサのもとにだれも出入りできないようにするためにラマに砦を築き、ユダ王国を攻め上ろうとしました。
このとき、アサは主の宮と王宮との宝物倉から銀と金を取り出し、ダマスコに住むアラムの王ベン・ハダデに送り、イスラエルの王バシャとの同盟を破棄しアラムとユダ王国の同盟を結び、北王国を挟撃するという計略を立てたので、北王国のバシャはこのために撤退を余儀なくされました。
- 先見者ハナニの忠告
アサ王の計略は見事に成功したように見えましたが、そのとき、予見者ハナニがユダの王アサのもとに来て、「あなたはアラムの王に拠り頼み、あなたの神、主に拠り頼みませんでした。それゆえ、アラム王の軍勢はあなたの手からのがれ出たのです。
あのクシュ人とルブ人は大軍勢ではなかったでしょうか。戦車と騎兵は非常におびただしかったではありませんか。しかし、あなたが主に拠り頼んだとき、主は彼らをあなたの手に渡されたのです。
主はその御目をもって、あまねく全地を見渡し、その心がご自分と全く一つになっている人々に御力をあらわしてくださるのです。あなたは、このことについて愚かなことをしました。今から、あなたは数々の戦いに巻き込まれます。」 と、言いました。
- 神を離れる、アサ王の驕り
すると、アサはこの予見者に対して怒りを発し、彼に足かせをかけました。このことで、ハナニに対し激しい怒りをいだき、アサはこのとき、民のうちのある者を踏みにじってしまいました。
繁栄し、財力にも勢いのあったアサ王は、神により頼むより、自分の能力と自分の計略により頼み、自分の力を誇り、予見者ハナニの忠告に激しく怒り、ハナニを投獄し、民のうちのある者を踏みにじりました。
アサ王の心は、このとき、神に叫び、神の計画と方法にすべて信頼し、神が大軍を打ち滅ぼしたときのことを忘れ、神から離れ自分の力、財力、計画に頼るものとなっていました。
このようなとき、神との交わりはなくなり、過去のものとなってしまいます。
アサ王の心は神との交わりから離れてしまいました。
アサ王は、北王国との一時的戦闘には勝ちを収めたようにみえましたが、神から離れ、神の無限の力により頼むことを忘れてしまいました。
- 神を求めず人の知識に頼む
「それから、アサはその治世の第三十九年に、両足とも病気にかかった。彼の病は重かった。ところが、その病の中でさえ、彼は主を求めることをしないで、逆に医者を求めた。」
この後アサ王は、足を病に犯されました。
しかし、彼は、病が激しくなっても病を癒す力のある全能の神により頼むことをせず、医者を求め、人の知恵によって病の癒しをもとめました。
アサ王は、最初その神、主の目に良しと見え、また正しいと見えることを行い、偶像を取り除き、先祖たちの神、天地創造の神を求めることを民に命じ、民に掟と戒めを守るように行わせました。
アサ王は、最初のスタートは、神、主がよいと見られ、御目にかなうことを行ないました。
さらに、ユダとベニヤミンのすべての人々、および、エフライム、マナセ、シメオンから来て彼らのもとに身を寄せている人々を集め、心を尽くし、精神を尽くしてその父祖の神、主を求め、心を尽くして誓いを立て、ただ一筋に喜んで主を慕い求めました。
しかし、治世が成功し、国が繁栄に向かうにつれ、アサ王は、自分を誇るようになり、自分の力、自分の財力、人の知識に頼るようになり、死ぬ間際には、よい終わりを迎えることができませんでした。
- 神の祝福のなかに留まる
素晴らしいスタートであっても、神の望まれる最高の祝福を受け続けるために、わたしたちも、自分の心が喜んで神を慕い求め、わたしたちの思いや計画を超えた素晴らしい祝福の約束を達成してくださる神により頼むものとなっているかどうかを常に吟味する必要があります。
神は、わたしたちを最高の祝福で満たされたいと願っておられます。
わたしたちが、神の祝福をあますところなく受けるための秘訣がアサ王の生涯をとおしてみることができます。
主はその御目をもって、あまねく全地を見渡し、その心がご自分と全く一つになっている人々に御力をあらわしてくださるのです。
神はわたしたち自身を明け渡して、神が持っておられる計画に、わたしたちの心を神と一つにし、交わりを持ち続けるものとなることを望んでおられます。
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